こんにちは、けい先生です。都道府県別・教員給料シリーズの各記事で使っている年収の計算方法を、この1本にまとめて解説します。
「教職調整額って何?」「地域手当ってどうして県ごとに違うの?」「手取りはどうやって出してるの?」——県の記事を読んで気になったことは、このページで全部つながるはずです。
使うのは、各県の人事委員会が公表している公式データだけ。読み終わるころには、あなたの県の給料表も自分で読み解けるようになります。
結論:年収はこの1本の式で計算できる
都道府県別に教員の年収を調べているこのシリーズでは、40歳モデルの年収をすべて同じ式で計算しています。
使うのは、各県の人事委員会が公表している公式データだけ。この記事では、式に出てくる言葉を1つずつ、給与明細をじっくり見たことがない人にも分かるように解説します。各県の記事で「計算式はこちら」と案内している先が、このページです。
「2級81号給」——給料表のどこを見ているか
教員の給料は、県ごとの給料表という一覧表で決まっています。縦に「号給」、横に「級」が並ぶ大きな表で、自分の位置が決まれば月額が1円単位で決まります。
- 級:職務の段階です。教諭は2級、教頭・校長になると上の級に移ります。
- 号給:経験の積み上がりです。毎年の昇給で少しずつ上がっていきます。
このシリーズの40歳モデルは、高等学校等教育職給料表の2級81号給で統一しています。大学を出て教員になり、順調に昇給してきた40歳ごろの目安の位置です。ポイントは、この表の金額が県ごとに違うこと。同じ仕事をしていても、どの県で働くかで出発点の月額から差がつきます。
教職調整額——「残業代の代わり」の上乗せ
公立学校の教員には、どれだけ残業しても残業代が出ません。その代わりに、給料月額の一定割合が一律で上乗せされます。これが教職調整額です。
この割合は長いあいだ4%でしたが、法改正により令和8年1月から5%になり、以後毎年1%ずつ引き上げられて、最終的に10%になる予定です。シリーズの計算では5%(×1.05)を使っています。
地域手当——県ごとの年収差を生む正体
シリーズを読み比べると分かりますが、給料表がほぼ同じなのに年収が数十万円違うケースが何度も出てきます。その正体がほぼ毎回、この地域手当です。
地域手当は、民間賃金や物価の高い地域で働く職員への上乗せで、国の基準では市町村ごとに率が決まっています(高いところでは20%)。ただし、実際にどう支給するかは県によって扱いが分かれ、シリーズではこれまでに3つの型が見つかっています。
- ① 県内0%型:県内に支給対象地域がなく、どこで働いても上乗せなし(例:福島・愛媛・沖縄)
- ② 最低保証型:都市部は高く、それ以外の地域にも最低ラインを保証(例:広島=県内どこでも最低4%)
- ③ 全域一律型:県内全域に同じ率を薄く配る(例:香川=どこでも一律3.2%)
「どの市町村に赴任するか」で手当が変わる県もあれば、県内転勤では1円も変わらない県もある——教員の年収を考えるうえで、いちばん見落とされやすいポイントです。
ボーナス——「4.65ヶ月」の意味
教員のボーナスは、期末手当(在籍していれば支給される分)と勤勉手当(勤務成績が反映される分)の2階建てで、合計「年◯ヶ月分」という形で決まります。この月数は毎年の人事委員会勧告で見直されます(令和7年勧告では多くの県で年4.65月)。
シリーズの計算では、(給料 × 教職調整額 × 地域手当)で出した月額に、このボーナス月数を掛けています。月額が県ごとに違うので、同じ「4.65ヶ月」でもボーナスの金額は県ごとに変わります。
手取り——額面の約77%になる理由
額面の年収から、実際に使えるお金(手取り)までの間には、大きく2つの差し引きがあります。
| 差し引かれるもの | 目安 |
|---|---|
| 社会保険料(共済掛金:年金・医療など) | 額面の約14.5% |
| 税金(所得税・住民税) | 額面の約8.5% |
| 手取り | 額面の約77% |
各県の記事の手取り額は、すべてこの概算で統一しています。扶養家族の有無や各種控除で個人差が出るので、あくまで目安として見てください。
データの調べ方——一次資料はここにある
シリーズの数字は、すべて次の2つの公式資料から取っています。
- 人事委員会の「職員の給与等に関する報告及び勧告」(毎年10月ごろ公表):改定後の給料表はここに載ります。別紙・別記の「教育職給料表」を探して、2級81号給の金額を読みます。
- 「職員の給与・定員管理等の状況」:地域手当の支給地域と率はここで確認できます。
SNSやまとめ記事の数字は、古かったり写し間違いがあったりします。私自身、他の方が載せていた給料表の数字を使いかけて、公式PDFと突き合わせたら違っていた——という経験をしてから、「必ず一次資料で確認する」をシリーズのルールにしました。各記事の末尾には、使った資料の名前をそのまま載せています。
まとめ:式が分かれば、自分の県も読める
・教員の年収は(給料表 × 教職調整額 × 地域手当)×(12ヶ月+ボーナス月数)で計算できる
・給料表の県ごとの差に加えて、地域手当の3つの型(0%型・最低保証型・全域一律型)が年収差の正体
・数字はすべて人事委員会の一次資料から。手取りは額面の約77%が目安
この式を頭に入れて各県の記事を読むと、「なぜこの県は順位が高いのか」が自分で読み解けるようになります。あなたの県はどうでしょうか。