こんにちは、けいです。
匿名の質問箱に、こんな質問をいただきました。「兵庫県の臨時講師の上限給与はいくら? 教諭とどのくらい違う? 上限だと額面と年収は? 何歳で上限に到達する?」——講師として長く働いている人、これから講師で続けるか迷っている人には、避けて通れない数字だと思います。
答えを先に言うと、兵庫県の講師(期限つきの常勤講師=1級)の給料の上限は、小中学校の給料表で1級113号給=月327,600円(10月14日の勧告どおりに改定された場合)。ふつうの昇給ペースなら、大卒22歳スタートで45歳ごろに上限に届き、そのあとは上がりません。教諭との差は最初の月1万円から年々開いて、45歳で月8.4万円です。
この記事では、兵庫県の給料表と条例・規則をもとに、講師の上限の金額、上限のときの額面と年収、年齢ごとの教諭との差、上限に届く年齢を整理しました。
📌 この記事でわかること
- 講師(1級)の給料の上限——小中学校の表と高校の表で違う
- 上限のときの額面(地域手当3段階)と年収
- 22歳から60歳まで、同じ年齢の教諭と月いくら違うか(表)
- 何歳で上限に届くか——昇給のしくみと「55歳以降は昇給なし」
- 講師を続けるときに知っておきたいこと
結論:講師の給料の上限と、教諭との差
| 項目(勧告どおりに改定された場合) | 金額 |
|---|---|
| 講師(1級)の給料の上限(小中学校の表) | 1級113号給 327,600円 |
| 講師(1級)の給料の上限(高校の表) | 1級169号給 356,600円 |
| 上限のときの額面(小中・地域手当4.4%・担任あり) | 月364,315円 |
| 上限のときの年収(同上) | 約606万円 |
| 上限に届く年齢(大卒22歳・ふつうの昇給) | 45歳ごろ |
| 同じ年齢の教諭との差(給料) | 22歳 10,500円 → 45歳 83,700円 |
「講師(1級)」は、期限つきの常勤講師(臨時的任用の講師)のことです。非常勤講師(時間給)は別のしくみなので、この記事では扱いません。
📰 金額は、2026年10月14日の兵庫県人事委員会の勧告どおりに給料表が改定された場合です。県議会で条例が改正されてから確定します。改定前の金額も、各表に並べています。
上限の号給と金額——小中学校の表と高校の表
兵庫県の教員の給料表は、小中学校用と高校用の2つに分かれています。講師の「1級」は、どこまで号給があるかが表によって違います。
| 給料表 | 1級の上限 | 勧告どおりなら | 改定前 |
|---|---|---|---|
| 中学校・小学校教育職給料表 | 113号給 | 327,600円 | 317,600円 |
| 高等学校教育職給料表(高校・特別支援学校など) | 169号給 | 356,600円 | 346,700円 |
小中学校の表は、1級が113号給で終わりです。高校の表は169号給まであるので、上限の金額は高校のほうが29,000円高くなっています。ただし、高校の表の上限には、後で説明するように「55歳の壁」があって、実際には届きません。
教諭(2級)の上限は、小中学校の表で173号給438,400円、高校の表で169号給449,000円です。上限どうしで比べると、月11万円ほどの差があります。
号給ごとの金額は兵庫県の教員の給料表に全部載せています(改定前の表です)。
上限のときの額面と年収——地域手当3段階
小中学校の表で上限(1級113号給)に届いたときの額面を、勤務地の地域手当ごとに計算しました。学級担任ありの場合です。
| 地域手当 | 主な勤務地 | 月の額面 | ボーナス(年4.70か月) | 年収の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 9.4% | 神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市など | 381,514円 | 約177万円 | 約635万円 |
| 6.4% | 姫路市・明石市・川西市 | 371,194円 | 約172万円 | 約617万円 |
| 4.4% | そのほかの県内すべての市町 | 364,315円 | 約169万円 | 約606万円 |
内訳(4.4%の場合)は、給料327,600円+教職調整額16,380円(給料の5%)+地域手当15,135円+義務教育等教員特別手当3,200円+学級担任の加算2,000円です。手取りは、共済掛金と所得税・住民税を引いて、月28万円前後が目安です。
高校の表の上限(1級169号給)なら、4.4%で月396,104円・年収約659万円です。
💡 教職調整額は、2027年1月に6%、その後2031年まで毎年1%ずつ上がって10%になる予定です。上の計算は今の5%なので、将来はもう少し増えます。
年齢別:教諭との差は年々開く(小中学校の表)
「上限に届くまでは教諭と同じ水準」ではありません。講師(1級)と教諭(2級)は最初から差があり、年を追うごとに開きます。大卒22歳でスタートして、毎年4号給ずつ上がった場合の「給料(基本給)」を並べました。
| 年齢 | 講師(1級) | 教諭(2級) | 差(月) |
|---|---|---|---|
| 22歳 | 265,500円(21号給) | 276,000円(17号給) | 10,500円 |
| 25歳 | 279,300円 | 292,400円 | 13,100円 |
| 30歳 | 298,000円 | 331,400円 | 33,400円 |
| 35歳 | 311,300円 | 365,300円 | 54,000円 |
| 40歳 | 321,700円 | 392,200円 | 70,500円 |
| 45歳 | 327,600円(上限) | 411,300円 | 83,700円 |
| 50歳 | 327,600円(上限のまま) | 426,100円 | 98,500円 |
| 55歳〜 | 327,600円(上限のまま) | 432,400円 | 104,800円 |
差が開く理由は、1号給あたりの上がり幅です。30歳をすぎると、講師の1級は1年(4号給)で1,000〜1,300円しか上がらないのに、教諭の2級は2,700〜3,500円上がります。
教職調整額・地域手当・ボーナスは給料に連動するので、額面や年収ではこの差がさらに大きくなります。地域手当4.4%・担任ありで計算すると、40歳の年収は講師が約595万円、教諭が約725万円で、年収で約130万円の差。45歳では講師約606万円、教諭約761万円で、約155万円の差です。
教諭の年齢ごとの給料は兵庫の教員、40歳で年収いくら?の記事でも計算しています。
高校の表の場合——55歳で止まる
高校・特別支援学校の講師に使われる高校の表では、1級が169号給まであります。でも、兵庫県の条例では55歳に達した後は、勤務成績が特に良好な場合を除いて昇給しません。
| 年齢 | 講師(1級・高校の表) | 教諭(2級・高校の表) | 差(月) |
|---|---|---|---|
| 22歳 | 265,500円(21号給) | 276,000円(17号給) | 10,500円 |
| 30歳 | 298,600円 | 331,400円 | 32,800円 |
| 40歳 | 326,700円 | 396,200円 | 69,500円 |
| 45歳 | 340,100円(113号給) | 421,600円 | 81,500円 |
| 50歳 | 347,600円(133号給) | 438,600円 | 91,000円 |
| 55歳〜 | 352,600円(153号給で止まる) | 444,000円 | 91,400円 |
大卒22歳からだと、55歳の時点で1級153号給(352,600円)。上限の169号給(356,600円)まであと16号給=4年分ありますが、そこで昇給が止まるので、実質の上限は352,600円です。
何歳で上限に届くか——昇給のしくみ
兵庫県の教員の昇給は、ふつうの評価(「良好」)なら1年に4号給です。大卒22歳で1級21号給からスタートすると、小中学校の表の上限113号給までは92号給。4で割って23年なので、45歳ごろに届きます。
- 大学院卒で、修士の2年分が経験年数として加算されている(1級29号給スタート)なら、2年早い43歳ごろ
- 会社員などの経験があって上の号給からスタートした人は、その分早く届きます
- 高校の表は、上で見たとおり55歳で153号給のまま止まります
⚠️ 講師は1年ごとの任用です。前の年までの経験年数が号給に反映されるのが基本ですが、県の規則では、期限つきの職員の号給の加算は「予算を考慮して」上位の号給にできる、という書き方になっています。毎年きっちり4号給ずつ上がるとは限らないので、年度初めの辞令で号給を確認してください。
講師を続ける人が知っておきたいこと
ここまでの数字から、講師で長く働くときの「お金の現実」は3つにまとまります。
- 20代は差が小さい。 22歳で月1万円、25歳で1.3万円。1年目の手取りで見ると、教諭との差は月1万円ほどです(講師の初任給の記事)。
- 30代から差が開く。 30歳で月3.3万円、40歳で7万円。年収では40歳で約130万円の差です。
- 45歳で頭打ち。 小中学校の表では45歳で上限に届き、それ以降は昇給がありません。教諭は55歳まで上がり続けます。
給料の面だけで言えば、教員採用試験に合格して教諭になることが、いちばん大きな「昇給」です。講師の経験年数は、合格後の初任給の号給に加算されるので、講師の年数が無駄になることはありません。
そのうえで、講師のまま働く選択をする人もたくさんいます。その場合は、上の年収カーブを前提に、家計と資産づくりを組み立てておくのが現実的です。年収600万円台でも、支出を整えて積み立てれば、十分に資産は作れます。
よくある質問
Q. 講師の上限は、どの表でも同じですか?
A. 違います。小中学校の表は1級113号給(327,600円)、高校の表は1級169号給(356,600円)です。勤務する学校の校種で決まります。
Q. 上限に届いたら、そのあと給料はまったく上がりませんか?
A. 号給は上がりません。ただし、毎年の人事委員会勧告で給料表そのものが改定されると、上限の金額も変わります(今年は317,600円→327,600円)。教職調整額の引き上げでも額面は増えます。
Q. 勤務成績が良ければ、55歳をすぎても昇給しますか?
A. 条例では「勤務成績が特に良好な場合」に限って昇給できるとされています。ふつうの評価では昇給しません。
Q. 講師から教諭になったら、号給はどうなりますか?
A. 講師の経験年数が加算されて、新卒の2級17号給より上の号給からスタートします。何号給になるかは経歴によるので、採用時の通知で確認してください。
Q. 神戸市立の学校の講師も同じですか?
A. 違います。神戸市立の学校は神戸市教育委員会の採用で、給料の表も別です。この記事は兵庫県の採用(神戸市立以外)の金額です。
まとめ
✅ 兵庫県の講師の給料の上限、3行まとめ
・講師(1級)の上限は、小中学校の表で113号給=勧告どおりなら月327,600円(高校の表は169号給356,600円)。上限の額面は月364,315円、年収約606万円(4.4%・担任あり)
・教諭との差は最初から月1万円あり、30歳で3.3万円、40歳で7万円、45歳で8.4万円と年々開く。年収では40歳で約130万円の差
・ふつうの昇給なら大卒22歳スタートで45歳ごろに上限。高校の表は55歳で昇給が止まり、1級153号給(352,600円)が実質の上限
質問をくださった方、ありがとうございました。条例が改正されて金額が確定したら、この記事に追記します。
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出典(公式データ)
- 兵庫県人事委員会「令和8年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(2026年10月14日)——高等学校教育職給料表(1級169号給356,600円・2級169号給449,000円)・中学校・小学校教育職給料表(1級113号給327,600円・2級173号給438,400円)、期末手当・勤勉手当の年4.70か月分への引上げ
- 兵庫県「公立学校教育職員等の給与に関する条例」——給料表(改定前:小中1級113号給317,600円・高校1級169号給346,700円)、第18条の2(地域手当9.4%・6.4%・4.4%)、55歳に達した後の昇給の制限、第26条(義務教育等教員特別手当)——兵庫県法規集(内容現在:令和8年8月31日)
- 兵庫県「公立学校教育職員等の給与に関する規則」別表第2・第3(初任給基準表:講師〔大学卒〕1級21号給・教諭〔大学卒〕2級17号給・教諭〔修士〕2級29号給)、第9条(期限付職員の号給)、第41条・別表第17(義務教育等教員特別手当:1級113〜116号給3,200円、学級担任の2,000円加算)
- ※年収・手取りは、独身・扶養なし・学級担任ありを前提にした概算です(教職調整額は給料の5%、地域手当は〔給料+教職調整額〕×割合で1円未満切り捨て、ボーナスは〔給料+教職調整額+地域手当〕×4.70か月、共済掛金は月給の約14%)。年齢別の表は大卒22歳で採用され毎年4号給昇給した場合で、実際の号給は経歴と評価で変わります。通勤手当・住居手当などは含めていません。勧告どおりに改定された場合の金額で、条例の改正により変わります(2026年10月19日確認)