現役教員が失敗と実践から学んだお金のリアルを発信
「先生のボーナスって、実際いくらもらえるの?」「期末手当と勤勉手当って何が違うの?」と気になっている人は多いと思います。給与明細には金額しか書いていないので、計算のしかたまではなかなか分かりません。
結論から言うと、公立学校の先生のボーナスは、2026年度は年4.70か月分です(2026年秋の各県の人事委員会勧告どおりに条例が改正された場合。今の条例では4.65か月分)。6月と12月の2回に分けて受け取ります。
💡 この記事でわかること
・期末手当と勤勉手当の違い
・6月・12月それぞれの支給月数(2026年度・2027年度以降)
・計算式と、新卒1年目の夏が約3割になる理由
・22歳〜55歳の年代別の金額の目安と、手取り
民間企業では「夏のボーナス」「冬のボーナス」とざっくり呼びますが、公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」の2種類でできています。
在職期間に応じて支給される手当です。いわば「在籍ボーナス」。勤務成績に関係なく、在職していれば支給されます。
勤務成績に応じて支給される手当です。人事評価の結果で支給率が上下します。下の数字は、ふつうの評価(標準)の場合です。
| 種類 | 決まり方 | 2027年度以降の年間(標準) |
|---|---|---|
| 期末手当 | 在職期間 | 2.55か月分(1.275か月×2回) |
| 勤勉手当 | 勤務成績(評価) | 2.15か月分(1.075か月×2回) |
| 合計 | — | 4.70か月分 |
📌 支給月数は、毎年秋の人事委員会の勧告をもとに決まります。ここ数年は引き上げが続いていて、2024年は4.60か月、2025年は4.65か月、2026年の勧告で4.70か月になりました(多くの道府県。東京都は4.90→5.00か月)。各県の勧告は2026年 人事委員会勧告まとめにまとめています。
ボーナスは年2回、6月30日と12月10日ごろに支給されます。2026年度は、6月はもう今の条例(年4.65か月)で支給済みで、勧告どおりなら12月で引き上げ分の0.05か月を上乗せします。例として埼玉県の勧告の数字を示します。
| 支給月 | 期末手当 | 勤勉手当(標準) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2026年6月(支給済み) | 1.2625か月 | 1.0625か月 | 2.325か月 |
| 2026年12月(勧告どおりなら) | 1.2875か月 | 1.0875か月 | 2.375か月 |
| 2027年度以降(6月・12月とも) | 1.275か月 | 1.075か月 | 2.35か月 |
出典:埼玉県人事委員会 令和8年勧告の概要。兵庫県の勧告も2027年度以降は同じ1.275か月・1.075か月です。県によって配分が少し違うことがあります。
2027年度からは、夏と冬で同じ月数になります。
ポイントをひとつずつ確認しましょう。
給料表で決まる基本給です。先生の場合は、教職調整額(2026年は給料の5%。毎年1%ずつ上がって10%へ)も給料とみなして計算に入ります。自分の給料月額は、県ごとの給料表の記事(千葉・埼玉・兵庫・大阪・愛知・東京)で確認できます。
勤務地で決まる地域手当(東京都20%、大阪府12.8%、福岡県5.4%など)と、子どもなどを扶養している場合の扶養手当も、計算のもとに入ります(国の仕組みでは、勤勉手当の計算には扶養手当を入れません)。
主幹教諭・教頭・校長など、職や年齢に応じて、計算のもとに数%が上乗せされる仕組みがあります。対象と割合は、県の条例・規則で決まっています。
6月1日・12月1日(基準日)より前の在職期間に応じた割合です。4月1日に採用された新卒の先生は、最初の6月は在職2か月なので、約3割しか出ません。育児休業などで勤務しなかった期間があると、ここが100%未満になります。
⚠️ 新卒1年目の夏は約3割
新卒の先生の最初のボーナス(6月)は、ふつうの約3割です。12月からは満額になります。最初の夏のボーナスを当てにした大きな買い物は、少し待ったほうが安心です。
実際の給料表を使って計算してみます。全国の多くの県とほぼ同じ金額の福岡県の小中学校の給料表(今の表)で、大卒22歳で採用されて毎年4号給ずつ上がった場合です。教職調整額5%、地域手当なし・扶養手当なし、年4.70か月(6月2.325か月・12月2.375か月)で計算しました。
| 年齢 | 給料月額 | 6月(税・社会保険料の前) | 12月 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|
| 22歳・1年目 | 265,400円 | 約19万円(約3割) | 約66万円 | 約85万円 |
| 25歳 | 281,800円 | 約69万円 | 約70万円 | 約139万円 |
| 30歳 | 320,100円 | 約78万円 | 約80万円 | 約158万円 |
| 35歳 | 352,800円 | 約86万円 | 約88万円 | 約174万円 |
| 40歳 | 379,600円 | 約93万円 | 約95万円 | 約187万円 |
| 50歳 | 413,600円 | 約101万円 | 約103万円 | 約204万円 |
| 55歳 | 419,900円 | 約103万円 | 約105万円 | 約207万円 |
※(給料月額×1.05)×支給月数で計算した概算。職務段階別加算は入れていません。
地域手当がある県では、この金額に地域手当の分がのります。たとえば地域手当10%の地域なら約1.1倍、東京都(20%)なら約1.2倍です。
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ボーナスから天引きされるものは主に3つです。
所得税と共済掛金を合わせると、税前ボーナスからおおよそ15〜20%が控除されます。
| 税前ボーナス | 控除額の目安 | 手取り(目安) |
|---|---|---|
| 50万円 | 約8〜9万円 | 約41〜42万円 |
| 65万円 | 約11〜13万円 | 約52〜54万円 |
| 80万円 | 約14〜16万円 | 約64〜66万円 |
私の感覚では、「夏は40〜50万円台、冬は50〜60万円台が手取りに入ってくる」イメージです。思ったより税金で取られるので、最初は驚きました。
なお、共済掛金の仕組みについては別記事で詳しく解説しています。
先生のボーナスの月数は、もともと民間企業のボーナスに合わせて決められています。人事委員会が毎年、県内の民間企業(従業員50人以上の事業所など)のボーナスを調べて、公務員の月数をそれに近づけるからです。
たとえば福岡県の2026年の調査では、民間のボーナスは年4.71か月分、県職員は4.65か月分で、差の分を引き上げて4.70か月分にしました。つまり「先生のボーナスは民間より多い」というより、調査対象の民間企業とほぼ同じ水準になるように決まっています。
⚠️ 小さな会社は調査に入っていない
調査の対象は、ある程度大きな会社です。従業員の少ない会社までふくめると、民間の平均はもっと低くなります。年収全体で見るときは、月給とあわせて考えるのが大事です。県ごとの年収は47都道府県の教員給料まとめで計算しています。
・公立学校の先生のボーナスは、2026年度は年4.70か月分(勧告どおりの場合。東京都は5.00か月)
・期末手当(在職期間)と勤勉手当(勤務成績)の2つ。2027年度からは6月・12月とも2.35か月
・計算のもとは「給料+教職調整額+地域手当+扶養手当」
・新卒1年目の6月は約3割。12月から満額
・税と社会保険料で15〜20%ほど引かれて手取りになる
・月数は、人事委員会が調べた民間企業のボーナスに合わせて決まる
ボーナスの全体像がつかめると、年間の収入計画が立てやすくなります。「ボーナスが入ったら何に使うか」を事前に決めておくのが、お金を増やす人の習慣です。
NISAやiDeCoへの積立をボーナス月に増やす方法も、ぜひ検討してみてください。